男性の不妊を改善する栄養素【 part３】｜アルギニンの不妊以外へのさまざまな効能

2019/08/30 不妊改善と妊娠についてこれだけは知っておきたい！　かず先生 Comment(0)

Contents

1 アルギニンは、血圧を下げてくれる！？
2 アルギニンとNOと筋肉のリラックス効果について
3 アルギニンの血糖値改善効果

美味しそうなヒマワリの種｜不妊・マタニティケアHP

みなさん、こんにちは＾＾。

ママミーツベビ院長の小菅一憲（カズ先生）です。

さて、ここ２回ほど、男性の不妊を改善する栄養素として「アルギニン」のお話をしてきましたが、今日はアルギニンの不妊以外への効能についてお話したいと思います。

アルギニンはどんな働きを持っているかというと・・・

精液の合成（精液の８０％はアルギニン）
アンモニアの代謝
クレアチンの合成
窒素（ＮＯ）の合成
コラーゲン、エラスチン、血液に含まれるヘモグロビンの合成
コレステロール抑制（脂質代謝を促進）
老化抑制（成長ホルモンの生産促進）
手術の前後、傷の回復促進
マンガン欠乏症改善

このようなたくさんの機能を持っているアミノ酸です。

前回の「アルギニン」について書いた記事はこちら↓

mamameetsbaby.jp

男性の不妊を改善する栄養素【 part２】｜アルギニンはすごい！男性不妊症への効果

みなさん、こんにちは＾＾。ママミーツベビ院長の小菅一憲（カズ先生）です。さて、今日も前回に引き続き、男性の不妊を改善する栄養素として「アルギニン」のお話をしたいと思います。アルギニンは、アスパラギン酸とグルタミン酸によって体内で...

アルギニンは、血圧を下げてくれる！？

冒頭でお話した「アルギニン」の働きの中でも、とても大切なのが「一酸化窒素（NO）」の合成に関わっているということ。

この「一酸化窒素（NO）」の働きの一つに筋肉のリラックスがあります。
このことが、血圧の降下にも貢献すると言われています。

２００８年にポーランドで行われた研究では、血圧が高めの人では、男女問わずに食材からのアルギニン摂取量が少なく、通常は１日あたり５－１２ｇのアルギニン摂取が必要で、特に血圧が高めの人の場合には、１日あたり９－１２ｇを１日３回にわけて摂取することで、上下の血圧が平均で５ｍｍHg降下すると報告しています。

まさにアルギニンが合成に深く関わるNOの筋肉リラックス効果によるものです。

アルギニンとNOと筋肉のリラックス効果について

また同じくポーランドでは2004年に、アルギニンの経口摂取が運動能力にどのような影響を与えるかの研究が行われており、１回３ｇのアルギニンを１日３回、計９ｇを飲んでもらうことで、１日当たり９ｇのアルギニンを飲んでいる群が、明らかに疲労感と息苦しさを感じるまでの時間が長くなっており、また疲労感の回復時間も短くなっていることが報告されています。

これも、NOが心臓を含む循環器の働きを担う、筋肉のリラックスに重要な働きを持っていること、そしてこのNOを合成するためにはアルギニンが不可欠であるということを示しています。

ちなみにNOには・・・

生体防御
細菌、ウィルスの殺菌
ガン細胞の破壊
血流量増加
血圧の抑制
気管の弛緩
血管平滑筋を弛緩と拡張
腸の蠕動運動促進
胃壁の保護
利尿作用
男性勃起機能改善

などの働きがあります。